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2023/08/24

日本美術の源流探る【いばキラニュース】R5.8.24

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 明治期に活躍した思想家、岡倉天心(覚三)の英文著作「東洋の理想」が出版されて120年。本書で、天心は芸術と宗教の一体性を提示した上で、日本美術史に関して中国とインドとの影響関係を論じました。県天心記念五浦美術館(北茨城市)では刊行の節目に合わせ、日本美術の源流をアジア全体から探る企画展を開催。天心の思想を受け継ぐ画家たちを取り上げ、アジアに旅して描いた作品を紹介しています。
 「東洋の理想」の原書名は、「OKAKURA Kakuzo 〝The Ideals of the East〟」。本書で、天心は、インドに発する仏教、中国における儒教などに言及しながら、それらの宗教がいかに日本の美術と融合、発展し、新たな伝統文化を生成したかを論じています。冒頭の言葉「Asia is One/アジアは一つである」は、天心の思想を語る上で欠かすことができません。
 「新訳 東洋の理想-岡倉天心の美術思想」(2022年)を出版した東京芸大美術館教授の古田亮氏は、「アジアは一つである」の一節を、「太平洋戦争中にスローガン化された。日本の植民地支配を合理化するために唱えられ、天心の意図とは違う形で広められた歴史がある」と指摘します。
 本書に登場する西洋と東洋の思考法の違いを挙げ、「西洋では『イエス』か『ノー』の二つに分けることを基本とするが、東洋ではあいまいにする。物事を分けて考えると、時に争い事が起きる。東洋の思考は争いを避ける知恵なのかもしれない」と解釈。「日本は100年以上も西洋的な考え方で突き進んできた。予測不能な事象が頻発する今日、『東洋の理想』に寄り添う必要があるのではないか」と説きます。
 本展は、「岡倉天心『東洋の理想』から120年 天心と画家たちのアジア」と題し、「東洋の理想」の原書や、天心が弁髪を装って中国奥地で行った美術調査の資料などを紹介。絵画では、天心の薫陶を受けた日本美術院の画家を中心に、中国故事や仏教説話を描いた作品やアジアを旅して描いた作品など20点を集めています。
 担当の木沢沙羅学芸員は「『東洋の理想』によれば、中国やインドの文化が流れ着く先が日本とされ、『日本はアジア文化の博物館』と例えている。アジアに旅して描かれた作品を通し、著作の世界観を感じていただければ」と話しました。
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