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2025/10/27

神輿を乗船 吉田神社の浜降祭復活【いばキラニュース】R7.10.27

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水戸市の吉田神社(滑川久美雄宮司)に伝わる神事「浜降(はまおり)祭」が秋の例大祭最終日の10月26日、現代によみがえった。神輿(みこし)を那珂川で船に乗せ、ひたちなか市にある河口まで下る神事で、確認できる最後の開催は江戸時代の1786(天明6)年にまでさかのぼる。口伝やわずかな資料を基に、神社関係者は約5年をかけて祭りの行程を再現した。復活した祭りを一目見ようと、川沿いなどには大勢の人が詰めかけた。

同祭は同神社の創建と縁深い。伝承では祭神の日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の帰途、那珂川を遡上(そじょう)し、細谷村(現水戸市)で舟を降りて、兵を休ませたとされる。神社はその跡地に建てられた。道中、那珂湊漁港(ひたちなか市)辺りで舟は座礁したが、怪力の従者、田所が持ち上げて助けたとされる。

今回、復活した同祭では、日本武尊の足跡を逆からたどった。御神体・神輿が、滑川宮司ととともに水戸市細谷町付近の那珂川を小舟で出発。ひたちなか市の勝田橋付近で漁船に乗せ替え、田所が助けたとされる場所「田所磯」の辺りまで川を下った。その様子を一目見ようと、沿道や同漁港に老若男女が詰めかけた。

氏子らは陸に上がった神輿を担ぎ、祭り囃子(はやし)を響かせる山車(だし)とともに、観光客でにぎわう同漁港前の「那珂湊おさかな市場」を練り歩いた。同漁港では約400人が見守る中、滑川宮司が祝詞を奏上し、田所磯で採取した海水をささげた。夜、神輿が水戸に帰ると、地元・下市地区の人らが盛大に出迎えた。

同祭に関しては、86年発行の『水府寺社便覧』と1887(明治20)年発行の『常陸吉田神社事蹟考』に、神事についてわずかに記されている。同神社によると、関連する史料はこの2冊を除き、水戸空襲で焼失したとみられる。

途絶えて久しく、資料も乏しい中、この神事の存在は地元で口伝されてきた。同神社の神輿会の一つ「鳳会」の庄司充孝会長は「先輩らから、神輿を船に乗せ、那珂川を下る神事が昔あったと聞いていた」と話す。

復活へ思いを巡らせた庄司会長は、改めて資料を探す中で、明治時代の那珂湊港周辺の地図に「田所磯」の旧地名を発見。これを機に神社は実行委を立ち上げ、開催にこぎつけた。

神事を無事に終え庄司会長は「こんなに盛大に開催でき、感無量」と笑顔。滑川宮司は「例大祭で欠かせない重要な祭りの一つ。約200年ぶりにできてよかった」と感慨深そうに話した。
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